地域の観光情報サイトをNotionでつくってみた。WEBサイト制作とマニュアル運用をオールインワンで実装
2024年3月1日、西粟倉村の観光情報サイト・あわくらビジターセンターをオープンしました。通称AVCです。見た目があやしいですが、一生懸命やってます。どうぞよろしく。インターネット上の案内所なので実店舗は存在しません。あしからず。
AVCは「西粟倉村のリアルな情報が網羅的かつ忖度なしに掲載された観光情報サイト」を目指して運営していきます。
村民有志によるリアルな観光情報サイトをつくる
西粟倉村は1350人の村ですが、年間1500人以上が視察に足を運んでくださるようになりました。移住者比率も20%を越え、飲食店や宿泊施設が毎年のように新規オープンするようになりました。
しかし、情報がまとまっておらず、初めて村を訪れる人には分かりにくいと言われることも少なくありません。インターネット上に散らばる西粟倉村の情報がひとつにまとまり、生活する村民による「推し」が見えるサイトがあるといいよね…と村民有志で制作したのがAVCです。
従来のパンフレットやWEBサイトの課題に対するアプローチ
一般的には地域の観光情報は自治体や県が予算を捻出し、観光協会などが紙媒体やWEBサイトを制作することが多いです。マーケットが大きい地域では民間運営の広告運用型メディアもありますね。しかし、小さな地域では情報が古いままのパンフレットが地域の飲食店に並べられ続けていたり、最終更新日が3年前で止まっている観光情報サイトも少なくありません。
どこの地域にもある課題ですが、各媒体の課題を整理すると以下です。
紙媒体
- 数年に1度の情報更新と印刷が必要。費用が掛かり続ける
- 品質がデザイナーに依存し、予算が少ないと軽微な変更しかできない
WEBサイト
- 自治体による観光サイトは予算ありきで「作って終わり」になりがち
- 情報の網羅性/公平性が求められ、自治体内の情報に限られがち
これらの課題に対し、どういったアプローチができるのか考えたのがAVCでした。
AVCのアプローチ
- 非デザイナーでも更新できる簡易なWEBサービスで構築(スマホで更新OK!)
- WEBと合わせてマニュアルを作成し「誰でも いつでも 簡単に」更新可能
- 有志住民が所有し継続的に運営する。公平性ではなく個人の推しを尊重
これらを満たすために、AVCのサイトはワークスペースツール・Notion(ノーション)を使って制作しています。
NotionでWEBサイトとマニュアルを運用する
NotionであればWEBサイトとしてのコンテンツ制作とマニュアルがひとつのツールで担うことができます。
企業のナレッジ共有に使われることも多いNotionですが、Wraptas(ラプタス)という国産サービスと連携することで独自ドメインでのWEBサイト公開も可能です。今回はGoogle Domainsで取得した「awakura.info」というドメインに飛ばしています。
Notionはスマホで見やすく簡単に更新できるのがお気に入り。スマホでもページ作成が可能なのでWEBサイト制作に慣れていない人でも情報更新しやすい点も見逃せません。出先でもメンバーが更新した情報をスマホで開いてサクッと更新しやすいですね。
CSS中心なのでデザインの幅には制限があり、STUDIOやWordPressほど自由度はありませんが、AVCが果たすべき役割は情報の網羅性/更新頻度だと割り切って、低予算かつスピード感を持って制作することができました。
AVCをより良くすれば村民に利が生まれる機運をつくりたい
とはいうものの、ようやく公開したばかり。まだまだ頭で考えていることに手が追っついていません。まったく。現状の運営メンバーは3人です。全員、本業がある中でボランタリーに運営しています。単純に手が足りません。
今後は村内に限らず運営メンバーを広く募集しながら、運営していく予定です。「自分たちが生活する村にこんなサイトがあった方が便利だよね」という原点に共感してくれている人も多いのが救いですね。手伝ってあげてもいいよという人はお気軽に声を掛けてください。泣いて喜びます。
公平性や網羅性が重要視される自治体運営でもない。1社主導の民間営利メディアでもない。村民有志による非営利な観光情報サイト運営が今後どうなるのか、ご期待ください。